就活する大学生の為にIT企業の選び方を説明します
2016/03/20
就職活動をする学生の中には、何を基準にIT企業を選べば良いのか分からない人もいると思います。
多分、
- 会社の規模
- 平均年収
- 2ちゃんの評判
- 学校の先生の意見
この辺りを参考に企業を選びをしたりするんじゃないかと思います。
ありえない話ですが、もしも僕が今の知識をそのまま引き継いだ状態で学生に戻るとしたら、絶対に前述のような選び方はしないと思います。
転職を前提としたキャリアプランを大雑把に立てた上で、
自分はどんなスキルを身に付けたいのか?
その為にはどんな会社で何を学べば良いのか?
という観点で選ぶと思います。
ここでは、
- 大手SIer
- 中小SIer
- 大手Web系
- 中小Web系
- 外資系コンサルティングファーム
- 事業会社(社内SE)
の合計6パターンで、それぞれがどんな人にお勧めなのかをお話したいと思います。
企業選びの参考にしてみて下さい。
スポンサーリンク
SIer(大企業)
SIerとはシステムインテグレーターの事で、企業向けのシステムを作って利益を上げる会社です。
企業向けのシステムを作るので、ITの知識も重要なのですが、それ以上に顧客企業の業務知識が重要になってきます。
(顧客が何をしているのかを知らなければ何を作って良いのか分からないですよね?)
その為、大手SIerに入社して数年経つと、殆どプログラムを書く事はなくなります。
技術的な部分(プログラミング)は外注にやらせ、自分の仕事は顧客との調整、外注の管理、社内営業(ゴマすり?)辺りがメインになってきます。
その為、市場で通用するようなスキルは余り身に付けられず、転職する際に不利になる事は多いです。
それでも、新卒からずっと働き続けて課長クラスまで出世すれば1000万程度は貰えるので給料は悪くないです。
新卒で入った会社でずっと働きたいと思う人や、エンジニアというよりはサラリーマン的(?)な働き方をしたい人にはお勧めです。
逆に、プログラミングが好きな人や、最先端のIT技術に興味があるような人は止めた方が良いと思います。
収入:★★★★☆
技術力:★☆☆☆☆
市場価値:★☆☆☆☆
難易度:★★★☆☆
企業例:NTTデータ、日立製作所など
SIer(中小企業)
「ベンチャーIT企業」のような看板を掲げている事が殆どですが、実態はただの人材派遣会社です。
大手SIerや、大手Web系企業に社員を派遣して(常駐させて)、1ヶ月辺り80万とかを派遣先から貰うようなビジネスモデルになります。
待遇面では大手SIerの方が上ですし、技術を求めるのであればWeb系ベンチャーの方が上ですので、正直言って積極的に選ぶ理由はあまり無いように思います。
(まあ、僕は訳も分からずコレに就職してしまった訳で、詳しく知りたければこちらをどうぞ・・・。)
収入:★★☆☆☆
技術力:★★☆☆☆
市場価値:★★☆☆☆
難易度:★☆☆☆☆
企業例:名前を聞いた事も無いような無数のIT企業
Web系(大企業)
Web系の大企業で出世した場合、技術のエキスパート(スーパープログラマー)になるか、ディレクター(プログラマーやデザイナーを取り纏める監督)になるかの主に2パターンのキャリアパスがあります。
どちらに進んでも、市場価値が高く転職や独立も容易に出来るので会社に依存しなくて済みますし、
友達や家族に対して、
「このサイト(サービス)俺が作ったんだ。」
と自慢出来たりもします。
SIerがサラリーマン的なのに対して、Web系は完全にエンジニア的な仕事のスタイルになります。
新しい技術や開発手法を積極的に試してみたりと、プログラミングが好きな人にとっては仕事が楽しく感じられるはずです。
収入:★★★☆☆
技術力:★★★★★
市場価値:★★★★☆
難易度:★★★★☆
企業例:Google、Yahooなど
Web系(中小企業)
一般的にIT系のベンチャー企業って言うと、僕的にはWeb系の中小企業を指しているような感じがします。
大手でなく、敢えて中小のWeb系企業を選ぶメリットとしては、
- 新しいサービスの立ち上げに携われる
- 大変でも若い頃から大きな裁量を持って仕事が出来る
という点があります。
もちろん待遇面では大手のWeb系企業に比べると見劣りしますし、優秀な社員(先輩)が居る確率も当然減ります。
収入:★☆☆☆☆
技術力:★★★★☆
市場価値:★★★☆☆
難易度:★★★☆☆
企業例:名前を聞いた事も無いような無数のIT企業
外資系コンサルティングファーム
「地頭が超良くて、ハイレベルな仕事に挑戦したくて、若いうちに高収入を得たい。」
そんな人にお勧めなのが外資系のコンサルティングファームです。
労働時間も長い(週100時間とかザラ)ですし、実力が無い人は速攻でクビになります。
僕みたいな一般ピーポーからするとチビりそうな環境です・・・
しかし、それだけのメリットはあると思います。
若い時期から規模の大きな案件をリードする仕事が出来ますし、社員はトップクラスに優秀な人達です。
その環境で数年働けば(働ければ)嫌でも超ハイレベルな論理思考力とコミュニケーション能力が身に付きます。
市場価値も極めて高く、年収1000万以上のハイクラス求人だと、外資系コンサルティングファーム出身者はかなり優遇されます。
20代で1000万とか軽く超えます。
収入:★★★★★
技術力:★★☆☆☆
市場価値:★★★★★
難易度:★★★★★
企業例:アクセンチュア、IBMなど
事業会社(社内SE)
IT企業ではなく、普通の会社のシステム部門で働くというケースで、社内SEと言います。
ベンダー(システムを作る側)よりも事業会社(システムを作って貰う側)の方が一般的に立場も強いですし、納期に追われることも少ないので人気があります。
楽な分、
- 収入が低い
- 枠(求人)が少ない
- エンジニアとしての市場価値が低い
というデメリットがあります。
「プログラミングにそんな興味も無いし、給料安くても良いからプレッシャーが無い仕事で定時に帰りたい。」
そんな人にはお勧めです。
(でも、新卒でこれを狙う位なら公務員試験受けた方が絶対良いと思う・・・)
収入:★★☆☆☆
技術力:★☆☆☆☆
市場価値:★☆☆☆☆
難易度:★★★★☆
企業例:IT企業以外の企業全てのIT部門
まとめ
いかがだったでしょうか?
IT企業を大雑把に6パターンに分けた上で、それぞれの特徴と向いている人についてお話しました。
まずは、
- 技術志向が強いか?
- 地頭に自信があるか?
- 学歴があるか?
- 英語力があるか?
- 仕事が好きか?
- 望む収入は何歳で幾らか?
といった辺りを整理して、ある程度方向性を決めた上で個別の企業選びをするのが良いんじゃないかと思います。
でも、企業選びの際に、
企業A 平均年齢38歳 平均年収700万
企業B 平均年齢43歳 平均年収850万
みたいな情報はあまり意味がありません。
今の学生が40歳とかになる頃には労働力が流動化されていて、
aのスキルがある人 年収700万
bのスキルがある人 年収800万
みたいに、人ではなく、スキルに値段が付く世の中になっているはずです。
なので、
- 自分はどんな仕事をしたいのか?
- その為には何のスキルを身に付ける必要があるのか?
- その為にはどの会社に行くのがベストか?
という視点で企業選びをした方が良いんじゃないかと思います。
とはいえ・・・
「やりたい仕事なんて今の時点では分からない。」
「何のスキルが必要になるか分からない。」
という人も大勢いると思います。
その場合、
「事業会社(社内SE) < 中小SIer < 中小Web < 大手SIer < 大手Web < 外資コンサル」
の中で、出来るだけ右の方を選んでおけば良いと思います。
右から左へは転職し易いですが、左から右は転職し辛いです。