労働分配率を下げましょう!先輩←年収100万ダウン
2016/03/20
僕が入社してから3年程経過した頃に、社内で「労働分配率」という言葉を耳にするようになりました。
どうやら、社長が人事制度を見直す為に、外部から人材コンサルタントを引っ張ってきたようでした。
そして、そのコンサル曰くこの会社は同規模の同業他社に比べて労働分配率が高いらしく、会社経営を健全化する為に人事制度を変更し、給料も適正な水準に変更するとのことなのです。
要するに、「人件費高いからみんな給料下げるよー!」ということでしたw
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ショックを受ける僕
僕は新卒で入社以来3年程、残業代がカットされるにも関わらずデスマーチ案件ばかりにアサインされていました。
そして、入社4年目にしてやっとこさ基本給が20万を超えた位だったので、
「この会社が他所より給料高いなんてあり得ないだろ・・・。」
「これより給料下げるって、あのコンサル鬼か・・・。」
と、信じらない気持ち半分、怒り半分といった感じでした。
そして、コンサルからこの件に関して説明会があるということでしたので僕は絶対文句言ってやろうと意気込んでいましたw
人材コンサルタントによる説明会
全社員一度に集めることはスペース的に不可能なので、20人位のグループ毎に説明会が行われました。
人材コンサル「まず誤解しないで頂きたいのは、この新しい人事制度は皆さんの給料を下げることが目的ではありません。」
人材コンサル「評価制度を明確にすることで不公平感を無くし、頑張って成果を出した社員には必ず給料として還元する為の物なのです。」
僕(え、そうなんw?)
そして、このコンサルは新しい人事制度の内容を説明し始めました。
人材コンサル「お配りした資料をご覧下さい・・・。」
小一時間程説明・・・。
内容を要約すると、
アシスタントマネージャー未満の社員の給料は下がらないし、毎年の昇給も今まで通りある。
アシスタントマネージャー(大体30歳~)以上の社員は年俸制となり、成果の達成度合いに従って毎年変動する。
そして、マッキンゼー級のスーパーマンじゃない限り、現状の給料は維持出来ないような厳しい達成水準w
といった物でした。
人材コンサル「・・・しかし、この会社の労働分配率は同業他社と比べて高過ぎることは事実です。」
人材コンサル「その為、成果を出している社員には公正な評価で給料として還元しつつも、全体としては労働分配率を業界水準に引き下げ、将来を見据えた投資等にもお金を回せる状態にしていかないと企業としての成長戦略が描けません。」
人材コンサル「そうやってお金の使い方を適正化した結果、業績が向上して皆さんの給料にも反映される。そんな狙いがこの人事制度にはあるのです。(ドヤ!)」
僕(あー、なるほどねー。)
僕(古株社員の給料が高すぎて会社の足枷だった訳ね。)
先輩社員達(絶対あの達成水準は無理だろ…こりゃ給料下がるな…_| ̄|○)
と、若手社員にはあまり関係ありませんでしたが、先輩社員達にとっては不幸な出来事でした。
今思うこと
この会社は定期昇給があり、前年比で数%づつ昇給するので、長くいるだけで給料はどんどん増えていくシステムでした。
なので、大した成果を出していなくても35歳位にもなれば年収650万は貰えていたようです。
しかし、この新しい人事制度が適用された結果、殆どの先輩社員が100万位の年収ダウンになっていました。
一応、頑張って結果を出せば現状以上や昇給の可能性がある制度ではありましたが、普通は達成不可能な難易度でしたw
(それが社長とコンサルの狙いな訳ですが・・・)
確かに、元々の給与水準は特定派遣のソフトハウスとしては高い方ですし、売上が増えないのに今後も無条件で毎年昇給させてたら確実に破綻します。
なので、遅かれ早かれ単価に見合った世間相場並みの給料に適正化されたでしょうから、これまでが恵まれていただけで、改定後の給料水準が適正だったと思います。
でも、いきなり年収が100万とか下がった人達は本当に生活が大変そうでした。
- 下がったとはいえ世間相場並み
- 実力以上の給料を貰っていることに気づいていなかった
- 給料が下がらない前提で家とかローンで買った
まあ、全て自業自得なのですが、特に家族がいる人なんかは家族も含め生活が一気に大変になっていたので可哀想でした。
こういうのを目の当たりにすると、「お金って大事だな、マネーリテラシー高めなきゃ。」って思いました。
僕はこの一件で、
「IT業界に終身雇用、年功序列、はあり得ないな。」
「ただ長くいるだけで楽して実力以上の給料を貰えるなんて甘い話はないよな・・・。」
と思い、そして、
「IT業界で同じ会社に長く居るのはリスキーだ。」
「いつでも転職出来るように準備だけはしておくか。」
と、転職を意識して準備だけは進め始めました。
同じ会社に長くいて、昇給しているから大丈夫。って考え方は本当にリスキーです。
基本給が下がることはないと思うかも知れませんが、こんな感じである日突然100万位はあっさり下がります・・・。
ちなみに、特定派遣のIT企業(中小零細ソフトハウス)でも、社長の考え方次第では、
「社員が頑張って稼いだお金だから、可能な限り社員に還元する。無駄なコストは掛けない。」
という会社も沢山あります。(僕的には、もし特定派遣のIT企業(ベンチャーとか)を選ぶならこういう社長がやっている会社を選びます。)
正社員で雇用するとして、無駄なコスト(広くて綺麗なオフィス、使えない営業、会社ごっこの為の管理職など)を掛けなければ、売上の65%位は社員に還元出来ます。
単価60万の人で年収450万、単価80万の人で年収620万位、この位は払おうと思えば普通に払えます。
もし、これよりも給与水準が低いなら、無駄なコストを掛けているか、社長の懐がスーパー潤っているかのどちらかです。
なので、特定派遣のIT企業(ベンチャーとか)に就職・転職を考えているなら、売上と給与水準を見てその会社がどこにお金を掛けているのかを考えてみるのが良いかと思います。