うつ病の原因と接し方などまとめ
2016/03/20
日本では10人~15人に1人が生涯に1度はうつ病に掛かるというデータがあります。
僕はIT業界で8年程働いていますが、うつ病に掛かる人は本当に沢山います。多分、様々な業種の中でIT業界が最もうつ病になる確率が高いのではないでしょうか。
うつ病に掛かる人は真面目で責任感の強い人が殆どですので、潰れる前に自分からアラートを上げることは殆どありません。
ですので、周りの人が早めに気付いて適切なフォローをしてあげることが重要になります。
ここでは、うつ病になりやすい人の特徴や、原因、接し方などを纏めましたので、周りにうつ病予備軍の人がいたら気付いて助けてあげられるようになるという意味で、IT業界で働く人には覚えておいて欲しいと思います。
(そういう理由でSEの基礎知識にカテゴライズしています。)
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うつ病になりやすい人
うつ病になりやすい人の特徴は、
- 正義感が強い
- 責任感が強い
- 真面目
- 几帳面
- 完璧主義
- 優しい
- 周囲に気を使う
- 信頼できる
といったことが挙げられます。
まさにSEとしても社会人としても理想的な人物像ですね。
僕はIT業界で8年程働いていますが、うつ病になった人、または過去に経験がある人を10人は知っています。
やはり皆さん真面目で優秀で信頼出来る人達ばかりでしたね。(ちなみに僕はうつ病未経験者です・・・。)
うつ病になる原因
病院のサイトとか色々調べてみると、遺伝も多少関係するらしいのですが、基本的には仕事上のストレスが原因で発症することが多いようです。
アンケート調査の結果、うつ病の原因は、
- 仕事上の人間関係
- 仕事の業務量が過大
- 仕事内容の不満
がトップ3でした。
他にも「親や兄弟姉妹との問題」、「転職・引越しなど生活環境の変化」、「親しい人との別れ(死別・離婚)」など、プライベートな事情が原因になることもあるようです。(その場合は我々職場の人間にはどうしようもないですけど。)
参考サイト:うつ病500人に聞きました
うつ病の症状
そして、うつ病になると以下のような症状に見舞われます。
精神的症状
- 常に沈んだ気分になる
- 何をしても楽しくない
- 何事もヤル気が起きない
- 思考力や集中力が低下する
- イライラして怒りっぽくなる
- 自責の念が強くなる
- 死を意識する
身体的症状
- 頭痛がする
- 眩暈(めまい)がする
- 便秘、下痢をする
- 肩こり、腰痛
- 夜なかなか眠れない
- 朝起きれない
- 突然涙が出てくる
今、これを書いてて悲しくなりますね。
生きる為に仕事をしているはずなのに、なんでこんなに追い詰められるまで働かされなきゃならないのかと。
(色々毒を吐きたいところですが、趣旨が違うのでそれはまたの機会にとっておきます。)
そして、職場の人間が見て分かる特徴としては、
- 離席が多い
- 遅刻や欠勤が増える(特に休み明け)
- 仕事以外の時間(ランチや飲み会)も楽しくなさそう
- 会話が減った
- 身だしなみに気を使わなくなった
- ため息をつくことが多い
- 頭痛薬を飲んでいる
- 仕事を怠けたりサボっているように見える
があります。
「仕事を怠けたりサボっているように見える。」は特に注意して見て下さい。
というのも、本人は真面目で責任感が強いので自分の仕事のせいで人に迷惑掛けたくないと思い、一所懸命仕事を頑張っています。
しかし、思考力や記憶力の低下など、全体的に身体能力が低下しているので仕事をキッチリやりたくても出来ないのです。
また、それを本人は自覚していて苦しんでいるのです。
決して「サボってんじゃねーよ。」、「真面目にやれよ。」なんて言って追い詰めたりしないようにしましょう。
治療方法
うつ病になってしまったら治療方法は
- 肉体的、精神的にストレスの無い環境で過ごす
- 薬を飲む
の2つしかありません。
ストレスの無い環境で過ごすのは当たり前ですが、その為にはやはり長期の休職が必要になります。
健康保険の制度として傷病手当金というものが受け取れることになっていて、給料の3分の2が最長で1年半まで受け取れます。(一応、うつ病の70%は1年以内に治るというデータがあります。)
但し、これは会社員の場合だけで、フリーランス等の国民健康保険の被保険者は受け取ることが出来ません。
なので、会社員の場合は無理せず傷病手当金を受け取りながら治療に専念するのが良いですね。
あと、意外に思われる方もいると思いますが、必ずと言って良いほど抗うつ薬という薬を飲むことになります。
うつ病は、脳の神経伝達物質の出が悪くなる病気なので、それを適切な量に増やす薬のことを抗うつ薬と呼んでいます。
接し方
前述のうつ病の症状に当てはまる人が職場にいた場合、一体どうすれば良いのでしょうか。
余計な事をして逆効果になっては元も子も無いので、どんな接し方が良くて、どんな接し方が悪いのかを把握しておきましょう。
僕も、昔同じ職場で、この人うつ病かな?と思うような人はいましたが、結局何もすることが出来ませんでした・・・。
悪い接し方
- 叱咤激励する(頑張れよ、気持ちの問題だろ、等)
- 否定する(最近たるんでない?まだその仕事やってたの?等)
- 分かったフリ(深い関係でもないのに「その気持ち分かるよ。」等)
本人は真面目で責任感が強いので、うつ状態で仕事が進まないことや、そのせいで周囲に迷惑が掛かる事を苦痛に思っています。
なので、良かれと思って叱咤激励したとしても、「何とかしようと頑張ってるんだよ。それでも出来ないんだよ・・・。」と余計に気分が沈んでしまいます。
否定するのは言うまでもなくダメなのですが、分かったフリも良くないです。そんな上辺だけの言葉だと同情されているように感じて余計に落ち込んでしまいます。
良い接し方
- 休養を取るように勧める
- 作業量を減らす
- 完璧な結果を求めていないことを伝える
- ストレスの原因を遠ざける
- じっくり話を聞き共感する
- 退職などの重大な決断は避けさせる
とにかくストレスを軽減させることが重要になります。
一番良いのは休みを取れるように調整してあげることですが、立場的に同僚とかだと直接実行するのは難しいですかね。
基本的に上司であればこれらのことはやりやすいと思うので上司に働きかけたりするのも良いかもしれません。
あとは、うつ状態だと冷静な判断が出来ないので、退職などの人生で重大な決断を下さないようにさせましょう。後で症状が完治した時に後悔するケースが多いようです。
退職を決める前に、休職させて傷病手当を受け取りながら治療に専念することを勧めましょう。
まとめ
いかがでしょう、うつ病について本当に簡単にまとめたのですが理解して頂けましたでしょうか?
生きる為に働いているはずのに、何で死を意識する程にまで追い詰められなきゃいけないのでしょう。
もし自分がうつ病になりかけた時に、誰も理解してくれず助けてもくれなかったら、きっとそのまま潰れてしまうでしょう。
そうなる前に、周りの人の様子が変だと気付いた時点で適切な作業量に調整したり、休暇を取るように勧めたりしてお互いに助け合うようにしたいと僕は思います。
昔派遣された大手SIerは作業量がコントロール出来ていなくて残業、徹夜、休日出勤が当たり前の環境でした。
その為、うつ病になる社員が結構多かったのですが、それでも周囲は、「あー、あいつやっぱり潰れちゃったか。」位の感覚なんですよ。信じられます?
社員の健康 <<< 仕事
なんですよ。全体的な感覚が。
もういい加減やめましょうよ。労働者同士で首絞め合うの。
仕事なんて社員(仲間)の健康に比べたらクソみたいなもんですよ。
そう僕は思います。